ブロードは、シャツやワンピース向けの生地としてよく使われています。
また、ブロードと一括りに言っても、綿ブロードやT/Cブロードなど素材によっての特徴が異なります。
そこで重要となる素材の選び方や用途をご紹介します。
ブロード生地とは?
「ブロード」とは、「ブロードクロス」とも呼ばれており、目の詰まった平織りの生地のことを指します。身近なアイテムにも多く使用されており、ワンピースやシャツ、ブラウス、ドレス、バッグなど様々でとても扱いやすく人気があります。
美しい光沢感と表面の細かいよこ畝(うね)が特長です。そして緻密に織られているため、薄手の生地といえども強度があります。ちなみに畝(うね)とは、生地の表面に盛り上がって見える筋のことです。
ブロードはたて糸とよこ糸に同じ太さの糸を使用していますが、よこ糸よりもたて糸の本数が多い(約2:3)ため、よこ畝が現れます。しかし、目が詰まったブロード生地は、肉眼では畝が見えづらいです。
また、使用している糸の太さ「番手」によって異りますが、生地の厚みはやや薄手です。番手は、数字が大きくなるにつれ、細い糸になります。
主に、50番手前後が多く、その中でも80番手以上の細い糸で織られた布地は、綿素材でもシルクのような上品な光沢感が見受けられます。さらに非常に滑らかで肌触りが良く、上質素材で高級感があります。
そんなブロード生地ですが、アメリカでは「ブロードクロス(broadcloth)」、イギリスでは「ポプリン(poplin)」と呼ばれています。
実は、日本でも番手によって種別されており、糸の細い40番手以上のものを「ブロードまたはブロードクロス」、糸が太い20番手~30番手のものを「ポプリン」と呼んでいます。ちなみにブロードは「broad=広い」という意味があり、元々は幅の広い織機で織られていたことが名前の由来となっています。
ブロード生地の4つの特徴
前段部分にも記載していますが、ブロード生地にはどのような特徴があるのかをご紹介します。
①丈夫
冒頭でもご紹介したようにブロードは薄手の生地ながら、緻密に織られていることで耐久性が高く、ハリがあります。そのうえ、繰り返し洗っても生地がへたりにくく、アイロンなどの熱に強いのも嬉しいポイントです。
②上品な光沢感と高級感
目が細かく詰まっているので織り目が目立ちにくいのです。また綿素材のブロードの持つ、程よい光沢感からも気品と高級感あふれる生地です。ビジネスウェアから冠婚葬祭などのフォーマルウェアにもおすすめです。例えば、少し太めの糸を使用した商品であれば、カジュアル向けにも対応できる万能な生地です。
③やわらかく肌触りが良い
高密度に織られたブロードは、柔らかく滑らかな肌触りで着心地も抜群です。加えて、羽毛立ちも少なく、扱いやすいのもポイントです。また、生地の表面にシルケット加工というコーティングを施してあるものは、より滑らかさがプラスされ、心地の良いシルクのような風合いに仕上がります。
④縫いやすさ
薄手ながらハリ感があり、扱いやすいためソーイングにもおすすめです。加えて形状記憶しやすいといった特徴も持ち合わせており、スカートやドレスのギャザーやプリーツなども綺麗に仕上げることが可能です。衣類だけでなく、小物にもおすすめで幅広い用途で使用されています。
このように魅力的なブロード生地は、綿(コットン)素材が多く、「綿ブロード」または「コットンブロード」と呼ばれています。他にもウール(羊毛)、ポリエステル、絹(シルク)、リネン、和紙など様々あります。また、ポリエステルと綿を混紡した「T/Cブロード」も耳慣れた方も多いのではないでしょうか?
T/Cブロードとは、いわばポリエステルの特性(シワになりにくく、乾きやすい)と、綿の特性(吸水性、肌触りの良さ)を併せ持った生地です。
ブロードは、素材によって風合いが変わるので用途によって使いわけができる、フレキシブルな生地なのです。
知っておきたい!綿(コットン)ブロード、TCブロード、リネンブロードの特徴と使い道
ブロード生地を使用した製品は数多くありますが、なかでも、ブロードシャツと言われているようにワイシャツ向けとして有名です。ビジネスから冠婚葬祭などのフォーマルなドレスシャツには光沢が強い生地を使用したり、カジュアルシャツには光沢が少ない生地を使用するなど、使い分けることで様々なシーンで活躍しています。
さて、今回は代表的な綿ブロード、T/Cブロード、リネンブロードのそれぞれの使い道と特徴をご紹介します。
■フォーマル向けなどの高級シャツなら、“綿(コットン)ブロード”
<特徴>
・吸水性が高く、発散性に優れている
・通気性が良い
・天然繊維の中でも水に強い
・肌触りがよく、なめらか
※注意したい点
・シワになりやすい
・蒸れにくい
・静電気が起こりにくい
・発色が良い
<用途>
シャツ、ブラウス、スカート、ワンピース、パジャマ、タオル、ハンカチ、Tシャツなどにおすすめです。柄も豊富で犬猫などのペットウェアにも使われています。
さらに綿ブロードの中でもコーマ糸で織られた生地は「コーマブロード」と呼ばれています。コーマ糸を使用することで、毛羽立ちが減り、よりやわらかでツヤがある高品質に仕上がります。
■毎日着用する制服のシャツなら、“T/Cブロード”
合成繊維であるポリエステルと、天然繊維である綿(コットン)で織られた生地です。
<特徴>
・しわになりにくい
・乾きやすい
・吸湿性が高い
※注意したい点
・静電気がおきやすい
・耐久性が高い
・熱に強い
・型崩れがおきにくい
・毛玉ができやすい
<用途>
シャツ、ブラウス、エプロン、巾着、通園バッグ、レッスンバッグ、入園・入学グッズ、マスクなどにおすすめです。
■見た目や風合いを重視!程よいカジュアルシャツなら、“リネン(麻)ブロード”
リネン100%やリネンコットン素材のものがあります。
<特徴>
・吸水性が高い
・水濡れに強い
・耐久性が高い
・汚れにくい
※注意したい点
・シワになりやすい
・ナチュラルな風合い
・経年変化を楽しめる(風合い、色味)
・清涼感がある
・ハリ感
<用途>
衣服や小物におすすめの生地です。シャツ、ワンピース、ブラウス、ジレ、パンツ、エプロン、ヘアバンド、巾着などにおすすめです。コットンよりもシワになりやすいリネンの特質を生かし、あえてシワを強調するワッシャー加工を施した商品もあります。
このように素材を使い分けることで、衣服から小物まで幅広いアイテムを様々なシーンで使用できます。他にもブロードにシルクプロテイン加工を施した生地もあります。この加工は、シルクの持つ特性(滑らかさ、ナチュラルで美しい光沢感、高い吸湿性など)を生地に施します。
おすすめの生地3選
高機能なブロード生地は無地や柄など種類や色展開も豊富です。
今回はその中で定評のある商品をご紹介します。
▼ポリエステル/コットンブロード 高密度 ハリ感 28300 ☆送料無料☆
品番:28300
生地幅:108cm
長さ:54m
混率:ポリエステル65% コットン35%
特長:高密度 ハリ感
生地の種類 :ブロード
厚さ :薄手
染色方法 :後染(PIECE DYED)
使用用途:衣料、雑貨、制服 など
ロングセラーのポリエステル/コットンの薄手ブロード。高密度できれいな表面感と、ハリのある風合いが特長の素材です。またシワになりにくく、縮みにくい特性を持ちます。
カラーバリエーションを豊富に取り揃えています。
同素材で【11441】(148CM)もご用意しております。
様々な用途で使用実績があり汎用性のある商品になります。
▼50sブロード【おまたせしま10!対応商品】 高密度 ハリ感 30011 ☆送料無料☆
品番:30011
生地幅:109cm
長さ:54m
混率:コットン100%
特長:高密度 ハリ感
生地の種類 :ブロード
厚さ :薄手
染色方法 :後染(PIECE DYED)
使用用途:衣料、雑貨、制服 など
50Sの糸を使用した、ロングセラーのコットンブロード。高密度で、薄手ながらハリのある風合いと、さらっとした肌ざわりが特長です。
巾違いで【11226】146CMもご用意しております。豊富なカラーバリエーション展開の【おまたせしま10!】対応商品。超短納期10日(営業日)をお約束します。
衣料や雑貨問わず使用実績があり、汎用性のある商品です。
▼50s×80sブロードストライプ シルクプロテイン加工 日本製 ストライプ 5402 ☆送料無料☆
品番:5402
生地幅:112cm
長さ:50m
混率:綿100%
特長:シルクのような滑らかさと光沢、日本製、ストライプ
使用用途:ワンピース、シャツ など
綿100%ながら、シルクのような滑らかさと光沢があり、肌に優しいブロードです。
シルクから抽出された純度の高いタンパク質を生地にコーティングする「シルクプロテイン加工」によって、シルクの持つ特性が生地に施されています。
ブロード生地をお探しなら
ブロード生地のご紹介はいかがでしたでしょうか?
ブロードは主に衣服によく使われていますが、小物にもおすすめです。薄手でありながら丈夫で、ハリがある万能な生地です。
Trim-park SHIMADAでは、さまざまな素材、カラー、柄のブロード生地を多数取り揃えています。用途やイメージに合わせて商品をご提案することも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
まずはどんな生地があるかチェックしてみてください!
Trim-park SHIMADA(トリムパークシマダ)とは?
Trim-park SHIMADAは服飾資材のBtoB通販サイトです。アパレル、バッグ、雑貨用の副資材を幅広く取り扱っています。生地はもちろん、ボタン、ファスナー、テープ、リボン、パーツ類など服一着作る資材がまとめてそろうのがメリットです。
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<<参考文献>>
・ファッションのための繊維素材辞典