秋冬にも使用できるリネン生地
ウィンターリネンの生地

リネンとは、天然素材である麻の一種で亜麻(あま)とも呼ばれており、吸水性や速乾性、耐久性などを併せ持つ多機能な素材として人気があります。

春や夏のイメージが強いリネンですが、近年では秋や冬にもリネンが取り入れられるようになりました。また、秋冬に使うリネンは「ウィンターリネン」として親しまれています。とは言え、リネンの中でも季節によっておすすめの生地が異なります。

今回は、ウィンターリネンの種類と特長についてご紹介します。

1.意外と知らない?秋冬におけるリネンのヒミツ

秋や冬にも使いたくなるリネン生地の魅力に迫ります。

ふっくらと弾力感のあるウィンターリネン生地
秋冬リネン生地

■速乾性、吸水性

特に洗濯ものが乾きにくい冬は、水分を含んでも比較的乾きやすいリネンがおすすめです。
それだけでなく、汗などの水分をいち早く吸水し発散することで、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれます。
汗と無縁の冬とはいえ、寝汗は年中かくものです。特に冬の汗は夏より臭いと言われています。
そこでリネンの特性を活かし、パジャマやシーツなどにリネンの生地を用いることも良さそうですね。

保温性が高い

年中使える理由は、繊維の構造にあります。
リネンの繊維は中が空洞になっており、そこにあたたかい空気を溜め込むことができます。夏場は汗などの水分をすばやく吸水・発散する一方で、冬場は体温で温められた空気を保持します。
したがって、リネンは繊維自体が熱量を自動調整できる性質を持っているため、通気性と保温性のバランスが優れている素材なのです。

静電気が起きにくい

乾燥する秋や冬の悩みの種である静電気。リネンは静電気を溜め込みにくい性質のため、重ね着が多い冬にもうってつけです。

このようにリネンは、季節問わず使える高機能な素材です。
では冬に使われているウィンターリネンには、どのような種類と特徴があるのでしょうか。

リネン素材についての詳しい内容は、
こちら >>関連記事:リネン素材の生地の特徴や種類とは?ラミーなどの麻素材についてもご紹介

2.ウィンターリネンの種類と特徴|リネンウール、起毛リネン

秋冬にリネン生地を使用する場合は、リネンウールと起毛リネンがおすすめです。
それぞれのポイントを踏まえてご紹介します。

ウィンターリネン生地の表面
秋冬リネン生地の表面

◆リネンウール

冬の代表的な素材であるウール(羊毛)との相性が非常に良く、混紡した生地を“リネンウール(またはウールリネン)”と言います。
ウール繊維の構造上、熱を外に逃がさない抜群の保温性を誇っているのでより暖かみが増します。さらにウールが入ることにより、ふっくらと弾力感があり、程よい柔らかさに仕上がるのです。また、シワになりやすいリネンの性質を補ってくれます。
リネンウール生地は、平織りや綾織りなど織り方も様々、且つ配合によって風合いが変わるのも特徴です。中には、コットン(綿)素材が含まれているものもあります。
用途としては、ジャケットやストール、パンツ、スカートなど幅広く使われています。

<ウール素材の割合が多い場合>
ふんわりとしていて、シワになりにくく弾力感があります。
ウール素材の比率が多い方が厚みのある生地になりやすいです。

<リネン素材の割合が多い場合>
程よいシャリ感とナチュラルさに加えて、素朴な暖かみがあります。
使い込むごとに、洗濯するごとに色味や風合いの変化を楽しめます。

◆起毛リネン

起毛とは、布の表面を羽毛立たせる加工のことです。
片側のみに加工する片面起毛と、表裏の両面に加工する両面起毛があります。起毛を施したリネン生地のことを起毛リネンと呼んでいます。
加工後は輪郭がぼやけるため、やわらかな表情に仕上がり、見た目はまるでウールのようでしっとりと柔らかい生地となります。また、繊維間に空気が溜まりやすいので、高い保温性を持っています。
起毛リネン生地を使用したアイテムは、ジャケットやワンピース、ガウン、パンツ、コートなど様々です。
先程のウール混の生地に起毛加工をした商品も多くあります。

3.今が旬なウィンターリネン生地4選

弊社Trim-park SHIMADAで取り揃えている、リネンウールや起毛リネンの生地をいくつかご紹介します。

◎先染16sコットン/リネン/ウールビエラワッシャー 26225 ☆送料無料☆

こちらは、リネン/ウール/コットン(綿)素材を使用した中肉のビエラです。
ヨーロッパの方ではAWにもリネンの使用頻度が高く、ウールと混紡させることにより温もりを持たせた商品になります。
起毛加工とウール素材によってふくらみと暖かみのあるルックスながらも、シャリ感のある天然素材らしいさらりとした風合いが特徴です。さらにワッシャー仕上げによってしなやかな柔らかさとリラックスした表情感をプラスしました。
衣料のみならず、非衣料と問わず使用可能な汎用性のあるリネン生地です。

・ビエラとは 綾織りで織られて起毛した生地のことです。
・ワッシャー仕上げとは シワ加工のひとつです。生地に洗いっぱなしのような自然なシワ感が出て、ナチュラル感が増します。

品番:sw26225
生地幅:106/108cm
巻数:60m乱
混率:コットン57%麻29%毛14%
特長:起毛加工、ワッシャー仕上げ
生地の種類 :ビエラ
厚さ :中肉厚
染色方法 :先染(YARN DYED)

【おすすめの用途】
シャツ、ワンピース、スカート、帽子、袋物
など

おすすめのウィンターリネン生地 26225
コットンリネンウール 26225

◎麻/ウール 平織ナチュラルダイド SB4286ND

ハリウッドウィンターリネンリネンとウールの混紡糸を使用することでリネンのハリとウールのふっくら柔らかさのいいとこどり素材に仕上げました。
程よい厚みがあるのでヴィンテージ感のあるワンピースからボリューム感のあるガウチョパンツに最適です。
実際にパンツ地、ジャケット地としてご利用いただいております。

・Natural dyed(ナチュラルダイド)加工とは 手拭いや風呂敷などを手掛けた染色職人により、その技術を現在の素材に存分に発揮した特別な天然染めです。素材本来の味を変えることなく長時間手間を掛け1反1反丁寧に仕上げております。

品番:SB4286ND
生地幅:108/110cm
長さ:24m乱
素材:リネン90% ウール10%
目付(重さ):240g/m2
注意事項:多少のピリング、スリップがあります。

【おすすめの用途】パンツ、ジャケット など

おすすめのウィンターリネン生地 SB4286ND
リネンウール SB4286ND

◎1/40リネン 針布起毛加工/天日干し風合 柔らか ウォーム感 ウォッシャブル K-PSW3100

リネン素材に起毛加工を施し柔らかな風合いとウォーム感が特徴的な素材です。ウォッシャブル対応商品です。NEW COLOR 新色を大幅に追加しています!程よい厚みなので秋冬~梅春にかけての様々なアイテムにご利用いただけます。

品番:kiK-PSW3100
生地幅:130cm
長さ:25m乱
混率:リネン100%
特長:起毛加工、柔らか、ウォーム感、
   ウォッシャブル

【おすすめの用途】
シャツ、OP、スカート、ジャケット、パンツ など

おすすめのウィンターリネン生地 K-PSW3100
起毛リネン K-PSW3100

◎先染20s綿/麻平織り起毛ストライプ 26215 ☆送料無料☆

綿と麻(ラミーリネン)の混紡糸を使用した、ナチュラルなルックスの平織素材。薄手ながら起毛によるふくらみがあり、麻特有のドライタッチを併せ持ちます。こっくりとしたウォームカラーをベースとしたマルチストライプで展開しています。
衣料から非衣料まで、幅広くお使いいただけます。

品番:sw26215
生地幅:111/113cm
長さ:60m乱
混率:コットン86% 麻14%(ラミーリネン各7%)
特長:ウォーム感 起毛
生地の種類 :シーチング
生地の厚み:薄手
染色方法 :先染(YARN DYED)

【おすすめの用途】
シャツ、ワンピース、スカート、帽子、袋物
など

おすすめのウィンターリネン生地 26215
起毛リネン 26215

4.まとめ

このようにリネンは春夏だけでなく、季節を問わず活躍する素材です。
吸水性・速乾性も抜群で保温性も併せ持つウィンターリネンは、ワンピースやジャケットなどの衣服から、帽子やポーチなどの小物まで汎用性の高い生地です。実際にウィンターリネン(リネンウール、起毛リネン)の生地を使用することで、秋冬のリネンならではの素材感や風合いを楽しんでいただけると思います。
用途やイメージに合わせて商品をご提案することも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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