あらゆるところで目にする機会の多いジャガードは、ジャガード織機を使用して作られた、立体的で奥行きを感じさせる重厚感のある生地です。
トップスやパンツ、ワンピースなどの衣服を始め、カーテンや絨毯などのインテリア素材としても幅広く人気があります。
今回は、生地の特徴や素材などの選び方、おすすめをご紹介します。
1.ジャガード生地とは
ジャガード生地とは、織物の一種でジャガード織機を使用して作られた生地です。ジャガード織機は、複雑な模様や柄の生地を織ることが簡単になるように発明されました。
ジャガード生地は、織り方で模様を表現しており、無地の布地に文字やイラストを印刷するようなプリントではなく、縦糸と緯糸の種類を変えたり色を変えたりなど織り方で模様を表現しています。
また、模様を織り込んで作られるため、通常の生地よりも厚みがあり、高級感があるだけでなく、立体感があるのが特徴です。
ジャガードは、「Jacquard」と表記され、本来は「ジャカード」と発音しますが、日本では「ジャガード」の方が発音しやすいことから「ジャガード」が定着したのではないかと言われています。
1-1.ジャガードの織り方
織り上がった生地に模様や柄をプリントするのではなく、デザインに沿って紙に穴を空けた「紋紙(もんがみ)またはパンチカード」を作成します。そして、染色、整経(せいけい)された糸を使用して織り上げます。整経とは、糸の長さや本数、張力を整えることです。
紋紙には穴が空いている部分と空いていない部分があるので、織機がその紋紙の穴の情報を読み取ります。そして、空いている部分を糸が上下しながら通り、模様を表現します。上下することによって、立体感のある柄が織り上がるのです。
1-2.ジャガードの歴史について
ジャガード織機は、1801年にフランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカール(Joseph Marie Jacquard)によって発明されました。
現代の織機は、紋紙を用意する手間やコスト削減のために、データ化された電子ジャカードが普及しています。しかし、旧来のジャガード織機も、高級服飾品を中心に現役で使用されています。
ジャガード織機は、その後の計算機やコンピュータの歴史にも影響を与えた重要な発明であり、テキスタイル産業に革命をもたらしたのです。
2.ジャガードの種類
ジャガードは、大きく分けるとフルジャガードとセミジャガードがあります。
フルジャガードは、約520本もの針が全て独立して動きながら織り上げるため、複雑な柄でも表現しやすく、表裏に柄が出るのが特徴です。
一方でセミジャガードは、約200本の針が動きながら織り上げます。フルジャガードよりも織ることのできる柄は限られますが、メッシュなどの簡単な模様やスティッチなど入れることが可能です。また、表面にのみ柄が出ます。
3.ジャガード生地の4つの特徴
①立体的で厚みがある
生地を織る段階で模様を作り上げていくため、プリント生地に比べて厚みがあり、立体感が出ます。
実際に生地に触れてみると、より凹凸感が感じられます。
②高級感がある
出来上がったジャガード生地は織り柄が立体的で高級感や重厚感があり、衣服のみならずインテリアファブリックまで様々な用途に使われています。
③色落ち、色褪せ、色剥げなどの心配がない
あらかじめ染色した、先染めの糸を使用することが多いので、色褪せや色落ちがしにくく、長持ちするのもポイントです。家庭での洗濯にも対応していて、お手入れも簡単です。
④多様な模様が作れる
前段でご紹介した通りジャガード織機を使用することで、細かく繊細な模様から幅いっぱいの大きな模様、多様な模様を作ることが出来ます。
縦糸と横糸を不規則に織ることで、複雑な模様や柄、デザインも表現できます。しかし、織機の性能によって使える色数が制限されており、1つの生地に多くの色を使うことが出来ません。
ジャガードは、肉厚で耐久性や上品さも兼ね備えた魅力のある生地です。そして、織り方によっては、表裏がなく両面が使える、リバーシブルタイプもあります。
オリジナルのジャガード織りの生地を作成したい場合は、コストを考慮してデザインを考えることが必要です。先染めで織られた繊細な生地のため、プリント生地などよりはコストがかかります。当然使用する糸の本数、柄の種類を増やせばその分コストもかかります。
ジャガード生地は、厚みがあるので通気性が高いとは言えず、一般的には秋冬などの季節に適しています。ところが、織り方によって様々な柄を表現できる万能な素材なので、ウールやコットンなどあらゆる素材で作られています。用途や季節に合わせて、素材や厚みを選ぶことが重要です。
4.ジャガード生地の用途
ジャガード織りの生地は、アパレル製品にも多く使用されています。
用途としては、ジャケット、スカート、ワンピース、トップス、パンツ、バッグ、靴など様々です。しっかりとした厚みがあり重厚感もある生地なので、誰もが知っているラグジュアリーブランドにも使用されています。
更にはアパレル製品だけでなく、カーテンや絨毯、クッションカバー、タオルなどのインテリア製品にも使われています。
5.ジャガード生地の選び方
【素材】
ジャガード生地には、コットン(綿)、ポリエステル、麻、ウール、シルク、ナイロン、キュプラなど使用される素材は多岐に渡ります。素材によって、風合いや光沢感、柔らかさ、強度といった生地の特性が異なります。
・ウール/リネン
通気性に加えて保温性が高く、冬場に適しています。
ジャケットやコート、スカート、パンツなどにおすすめです。
・コットン(綿)/ポリエステル/ナイロン
丈夫で柔らかく、扱いやすいです。さらに発色が良く、鮮やかな色味が表現可能です。
吸水性も持ったコットン素材や透け感のある生地などは、春夏などのシーズンにも活用できます。シャツ、ブラウス、ワンピース、スカート、パンツなどに向いています。
・シルク/レーヨン
素材特有の光沢感がさらに高級感を持たせ、フォーマルな場面におすすめです。
ドレス、ブラウス、スカート、パンツなどの上品なアイテムに使用されています。
【柄】
前段でもご紹介している通り、ジャガード生地は織り方によって数多くの柄を表現でき、花柄やペイズリー柄、迷彩柄、ストライプ柄、チェック柄、ドット柄など定番のものから、千鳥柄や和柄、アニマル柄などの個性的なものまで実際にたくさんあります。
柄によって与える印象は様々。例えば、花柄のジャガードは、女性らしさや可愛らしさを表現できたり、人気のペイズリー柄は、華やかさ且つ安らぎの効果が感じられます。アニマル柄は、こなれた雰囲気でユニークな印象を与えてくれます。
柄だけでなく、使用する生地の色味によってもイメージが変わります。上品でクラシックな印象を持たせたい場合は、落ち着いた色味がおすすめです。
6.おすすめ生地ベスト3
ジャガード生地の魅力を知っていくと、ますます採用したくなりますよね。
そこで数ある中から、おすすめの生地を3つご紹介します。
■AK105 ペイズリージャガード
イギリスのペイズリー市でカシミアショールが織られたことからその名がついた柄です。草花を元にしたモチーフが繰り返されるリズムは、人間の心理に安心感を与えます。
色展開が豊富なのも魅力です。商品ページよりご確認下さい。
■7945 チリメンジャガード
表面変化素材に和柄プリントした商品で上品な光沢感があります。価格的にも非常にリーズナブルな商品です。
和柄なので、巾着、座布団、扇子など和雑貨や半衿などにおすすめです。
■KKC500 綿50 カットジャカード染
透け感のある綿ボイルをベースに、ジャカード織で表情を付けた立体感が特長のカットジャカードです。
繊細な柄表現で高級感を出しており、強撚糸を使用したさらっとした肌触りが夏に最適な素材です。
7.ジャガード生地を探すなら
ジャガードのご紹介はいかがでしたでしょうか?
厚みがあり丈夫で、高級感溢れるジャガードは、色褪せや色落ちもしにくいといった機能性も持ち合わせています。素材や柄によって風合いも異なるため、使い道も幅広く扱いやすい生地です。
Trim-park SHIMADAで取り扱っている商品の種類も多く、ここに記載できなかった商品もたくさんございます。 用途やイメージに合わせて最適な商品をご提案することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
まずはどんな生地があるのか、ぜひチェックしてみてください!
Trim-park SHIMADA(トリムパークシマダ)とは?
Trim-park SHIMADAは服飾資材のBtoB通販サイトです。アパレル、バッグ、雑貨用の副資材を幅広く取り扱っています。生地はもちろん、ボタン、ファスナー、テープ、リボン、パーツ類など服一着作る資材がまとめてそろうのがメリットです。
個人事業主やハンドメイド作家の方もご購入いただけますので、ぜひサイトをご覧ください!