様々なファスナーの画像
YKKファスナー

パンツやアウター、ワンピースなどの衣服を始め、バックやポーチまであらゆる分野で活躍しているYKKファスナー。

実際にYKKのファスナーを発注する際、「ファスナーコードが分かりづらい。」「どのように手配すればいいのか分からない。」など、悩まれた方も多いのではないでしょうか?

そこで、ファスナーの「チェーンタイプ」「製品区分」「サイズ(号数)」「スライダー」に分けて、それぞれのコードについて解説していきます。ご注文する際にぜひ参考にしてみてください。
さらに、寸法(長さ)や具体的な用途などのファスナーやスライダーの基礎知識についてもご紹介します。

1.【YKKファスナー】ファスナーコードの見方

ファスナーコード体系
引用元:YKKファスナーカタログ ファスニング専科

上図の通り、YKKのファスナーコードは、数字とアルファベットが混在しています。

皆さんに主に選択して頂くのは、
・チェーンタイプ(ファスナーの種類)  ・スライダー
・製品区分              ・スライダー仕上げ
・サイズ               ・テープ
・スライダー機能番号
の7項目です。

ご希望のサイズやチェーンタイプによって、展開のあるスライダーは異なります。スライダーを選択する前にチェーンタイプやサイズを決めているとスムーズにご選択頂けます。
では、ファスナーとスライダーそれぞれのコードについて見ていきましょう。

2.【YKKファスナー】ファスナーコード解説

実際に使用されているコードを基に解説していきます。
今回は、弊社Trim-parkにも掲載されております、メタルファスナーのファスナーコードである、“MNRC-33”を使ってご説明します。

メタルファスナー(MNRC-33)
MNRC-33(メタルファスナー)
メタルファスナー"MNRC-33"(YKKファスナーコード)2022年時点
MNRC-33(YKKファスナーコード) 2022年時点

*上記商品は、以下の仕様となります。
・チェーンタイプ⇒MNR  ・スライダー⇒DNR25
・製品区分⇒C      ・スライダー仕上げ⇒C5
・サイズ⇒3       ・テープ⇒P
・スライダー機能番号⇒3(ノッチロック)

2-1.チェーンタイプ

MNRC-33
最初のアルファベットは、チェーンタイプを表しています。
チェーンタイプとはファスナーの種類とエレメントカラーのことを指しており、様々な種類がありますが、大きく分けてメタルファスナー、コイルファスナー、ビスロン® ファスナーの3種類です。

ファスナーの種類については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
・アパレル資材 YKKファスナーVol.1
・【ファスナーの種類や名称】選ぶ前に知っておきたい、基礎知識

エレメントも豊富なカラー展開が魅力です。
メタルファスナーでは、ご希望のサイズ、エレメントカラー、スライダーの個数によって、チェーンタイプの表記が異なります。今回のMNRC-33は、3号のメタルファスナー(スタンダード)且つ、エレメント(務歯)カラーがニッケル(洋白)のため、“MNR”となります。

メタルファスナーに関するサイズ、アイテムバリエーション(1個付用)
メタルファスナー サイズ,アイテム展開(スライダー1個付用)
引用元:YKKファスニング専科

それぞれのファスナーがどのように表記されているのか、以下よりご確認下さい。
>>YKKファスニング専科一覧ページより

2-2.ファスナーの製品区分と主な用途

◎MNRC-33
最後のアルファベットは、止めや開きなどのファスナーの製品区分(仕上げ)を示しており、ご使用用途に応じた製品区分をご選択ください。

◆止製品 – 通常品(C)

スライダーを下した際にスライダーが下止めで止まる、一般的なタイプです。

<主な用途>
バッグ、ポケット、ズボンやスカートの前立て


◆止製品 – 頭合わせ(C)

スライダーが2個付いている、止製品の一種です。
上下のスライダーの頭が向かい合わせになっていることから“頭合わせ”と呼びます。止めは双方ともに下止めを使用します。
ファスナーコード末尾の特殊仕様部分がSLSH-Hとなっているものは、止製品の頭合わせです。

<主な用途>
バッグ


◆止製品 – 尻合わせ(C)

スライダーが2個付いている、止製品の一種です。
頭合わせに対して、上下のスライダーのお尻が向かい合わせになっていることから“尻合わせ”と呼びます。止めは双方ともに上止めを使用します。 ファスナーコード末尾の特殊仕様部分がSLSB-Bとなっているものは、止製品の尻合わせです。

<主な用途>
つなぎ服


◆開製品(O)

スライダーを一番下まで下ろすことで、左右に分離することが可能です。
上図の通り、右挿しは“OR”、左挿しは“OL”で表記されますが、日本ではORが多く使われています。

<主な用途>
ジャンパー、ブルゾンなどの上着の前立て


◆逆開製品(M)

開製品と同様に、左右に分離することができ、両端から開閉可能です。
別名“ダブルジップ”とも呼ばれています。
上のスライダーは、上げると閉まり、下げると開きますが、下のスライダーは、上げると開くことから“逆開”と呼びます。 ファッション性と機能性を併せ持ったファスナーです。
上図の通り、右挿しは“MR”、左挿しは“ML”と表記されます。

<主な用途>
ジャケット、ブルゾン、ジャンパー、コート等の前立て


これらの他にも、消防服やスポーツウェアなどに使用するトップオープンファスナーやQuickFree® 、click-TRAK® などの特殊な開き方をするファスナーもあります。
*QuickFreeおよびclick-TRAKはYKK株式会社の登録商標です。

▼QuickFree®ファスナーの詳しい説明はこちら
>>ストレスフリーの次世代ファスナーQuickFree®

2-3.ファスナーのサイズ(号数)

◎MNRC-33
最初の数字は、ファスナーのサイズ(チェーン幅)を表しています。
ファスナーの種類によって展開の無いサイズもありますが、NO.3,4,5,7,8,10が一般的なサイズです。
コイルファスナーの3CFや、コンシール® ファスナーの5CCまたは5CHなどで表記され、この数字の部分がサイズであり、3号や5号など号数でも表します。
要するに、チェーン幅が狭いほどサイズが小さく、広いほどサイズが大きいことを意味します。
【 45CF 】など、チェーン幅が2桁の数字のものもありますが、この場合は【 3CF 】【 5CIF 】の間のサイズをさします。
末尾の数字は、スライダーの機能を数字で表しています。スライダー機能については、次章で解説します。
*コンシールはYKK株式会社の登録商標です。

2-4.スライダーの種類と機能

次に、スライダーの選び方についてです。
スライダーとは、ファスナーを開閉するときにエレメントをかみあわせたり、離したりする役目をするものです。 チェーンタイプ同様に、材質や機能も様々あり、引手の種類も豊富です。
下の画像のスライダーコードを基にご説明していきます。

スライダーコード解説表
スライダーコード解説
引用元:YKKファスナー スライダーカタログ

◆材質コード

1文字目のD、こちらは材質コードです。つまり、スライダーの素材を表しています。
Dの亜鉛合金材は、皆さんがよく目にする材質コードです。

<スライダー材質コード一覧>
D:亜鉛合金材
G:銅合金材
K:銅合金材強力タイプ
N:ポリアミド系樹脂
S:ステンレス
T:ポリエステル系樹脂
引用元:YKKファスナー スライダーカタログ

◆機能コード

スライダーの名称
スライダーの名称
引用元:YKKファスナー ファスニング専科
スライダー胴体の構造図
スライダーの胴体構造
引用元:YKKファスナー スライダーカタログ

スライダーコードの2文字目のAが機能コードです。
前段でもお伝えした通り、ファスナーコードでは末尾に数字で表されています。
各機能の特徴と、スライダー機能番号については、以下をご参照下さい。

オートマチックロックスライダー(A)
引手から手を離すと自動的にロックがかかり、引手を引っ張ることによってロックが外れるスライダーです。

▼自由スライダー(F)
ロック機能を備えていないスライダーになり、引手を引っ張らなくてもスライダーを動かして開閉することができます。

▼ノッチロック(N)
胴体肩口に簡易なロック機能が付いており、チェーンを肩口に当てるように開くとロックがかかります。主に財布などに使用されています。

▼リバーシブルスライダー(U,R)
一枚の引手が回転レールに沿って移動できるもので表裏いずれからも開閉できるスライダーです。
UやRで表記されます。
U:回転オートマチックスライダー
R:回転(自由・肩止)スライダー の2種類あります。

▼セミオートマチックロックスライダー(S)
スプリングにより引手の位置が固定されるタイプで引手を下げた状態でロックがかかり、引手を起こした状態でロックが外れます。

▼両面スライダー(W、X)
両面に引手があり、表裏いずれからも引手を持って開閉することが出来るスライダーです。
W:両面自由スライダー
X:両面オートマチックスライダー の2種類があります。

他にも、カムロックスライダーやピンロックスライダーなどがあります。
例えば、「パンツやスカートのファスナーが自然と開いてしまった。」といった事態が起こらぬように、用途に合わせて機能を選ぶことがポイントです。

<スライダー機能番号>
0ーカムロック(C)
1ー自由(F)
2ーピンロック(P)
3ーノッチロック(N)
4ー両面肩止(D)
5ー両面自由(W)
6ーオートマチックロック(A)
7ー両面オートマチック(X)
8ーリバーシブル(U,R)
9ーセミオートマチック(S)

引用元:YKKファスナーカタログ ファスニング専科

◆表面処理コード

スライダーの色を指定しない場合、
・金属ファスナーは、エレメントに近い色
・コイルやビスロン® ファスナーなどは、テープカラーと同じ色となります。
もちろんアレンジも可能で、下記よりお選びいただけます。
しかし、ファスナーやスライダーの種類によってはカラー展開が無いものもあります。
*ビスロンはYKK株式会社の登録商標です。

スライダーの表面処理コード一覧表
スライダー 表面処理コード
引用元:YKKファスナー スライダーカタログ

3.寸法(長さ)とテープカラーについて

ファスナーコードが決まれば、最後に寸法とテープカラーを選択します。
製品区分や特殊仕様によって、製品寸法の測り方が異なりますので以下をご確認頂いた上、必要な長さをご指定下さい。

3-1.製品寸法の測り方

ファスナーの製品寸法は、ファスナーを閉じた状態で、スライダー頭端(または所定の位置)から下止や開具の先端(または所定の端部)までを測り、下記のⒶの長さにあたります。なお、Ⓑは上耳寸法、Ⓒは下耳寸法です。

◆止製品 – 通常品(C)

製品寸法Ⓐ
スライダー頭端より下止先端まで


◆止製品 – 頭合わせ(C)

製品寸法Ⓐ
スライダー頭端より下止先端まで


◆止製品 – 尻合わせ(C)

製品寸法Ⓐ
スライダー頭端より下止先端まで


開製品(O)

製品寸法Ⓐ
スライダー頭端より開具先端まで


逆開製品(M)

製品寸法Ⓐ
スライダー頭端より補助テープ先端まで


3-2.テープカラー

YKKのテープカラーは、約600色あります。

アイテムによっては左右のテープカラーを別色にすることも可能です。テープのカラーが違うだけでも、ガラッと印象が異なります。
とはいえ、色選びに迷われている方も多いのではないでしょうか?
実際に色目を確認したい方は、弊社では色見本帳も取り扱っております。

4.まとめ

YKKファスナーコードについて、ご理解いただけましたでしょうか?

用途に合わせたファスナーとスライダー選びはもちろん、サイズ(号数)やカラー選びも重要です。
デザイン性だけでなく、機能性にも優れていて、幅広い製品に対応しています。
魅力的でオリジナリティ溢れる、YKKファスナーに是非触れてみて下さい。

当社、Trim-park SHIMADAを運営する島田商事は、ファスナーの世界トップブランドYKKの販売代理店です。
用途やイメージに合わせて商品をご提案することも可能です。
またファスナーに関してのご質問など、お気軽にご相談ください。

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