天然素材の貝ボタンとは
こんにちは、Trim-park SHIMADAです。前回は様々な種類のボタンを紹介しましたが、今回は貝ボタンについてさらに詳しく紹介していきたいと思います。魅力たっぷりの貝ボタンですが、もちろんデメリットもあります。デメリットもひっくるめて全て貝ボタンの魅力!!!今回は日本での貝ボタン産業の歩みや、原料である貝から、ボタンになるまでの製造工程など盛りだくさんの内容となっておりますので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。ではスタート~~~
目次
・生産地
・貝ボタン産業の歩み
・貝ボタンの製造工程
・貝ボタンの魅力
・まとめ
貝ボタンの生産地をご存じですか?
日本で最も貝ボタンが作られている地域それは、、、奈良県川西町!!!海のない奈良県で貝ボタンだと!?と思った方もいらっしゃると思います。なぜ海のない奈良県が海産物である貝を使ったボタンの生産地として栄えてきたのか、貝ボタンのルーツを交えながら簡単にご紹介します。
貝ボタン産業の歩み
そもそも日本では和服から洋服に推移していく明治15年頃からボタンの製造が始まりました。その中でも貝ボタン産業は、明治20年頃ドイツ人の技術指導によって兵庫県神戸市に初めて伝わったとされています。その後明治30年頃には大阪河内地方へ。奈良県に本格的に伝わったのは明治38年頃と言われています。奈良県は江戸時代から綿加工業が盛んでしたが、他府県での生産成長などの理由から当時苦境に立たされていました。そこで農家の副業として貝ボタン製造が取り入れられたのです。さらに川西町は大阪からの舟運の集散地として賑わいを見せたこともあり、川西町での貝ボタン製造は徐々に成長していきました。また当時から原材料となる貝は海外輸入されていたので、生産地が海沿いの地域であるかは関係なかったのです!貝ボタン産業の始まりが農家の方々の副業とは驚きましたが、大阪への船運に便利な立地や、勤勉な町人気質もあり、川西町の貝ボタン産業は大きな成長を遂げたのですね。
貝ボタンってどうやってできるの?
貝ボタンの製造工程
➀刳り場(くりば)
原貝をボタンの形にくり抜く作業です。現在は産地でくり抜いたものを輸入していることがほとんどで、このボタン型にくり抜かれたものをブランクと言います。また海中で死んでしまった貝は割れやすい為、生きていた貝が素材として使用されます。
②ロールかけ
届いたブランクを厚さ別に選り分ける作業です。金属製の円柱を二本、傾斜をつけて逆回転で同時に回し、厚みを調節しブランクを流し込みます。暑さが薄いものから下に落ちる仕組みとなっています。
③摺り場(すりば)
凸凹しているブランクの表面を回転する砥石(といし)で平らにする作業です。ボタンの厚みの調整などを行う重要な作業の一つです。
④挽き場(ひきば)
通称「型付け」と呼ばれ、ボタンの表面にふくらみや溝などの型を付ける作業です。表裏を目で確認して、ボタンの表面に型を付けます。機械は裏表を判断できないため、セットは手作業で行われます。
⑤化車かけ(がしゃかけ)
化車と呼ばれる箱の中にボタンと水、磨き粉を入れて3~4時間回転させることで、ボタンの角に自然な丸みをつける作業です。丸みを付けすぎ無いように、作業時間を調節するのは職人さんの長年の勘が頼りとなります。
⑥穴あけ
ボタンに穴をあける作業。最近は一般的な二つ穴や四つ穴だけでなく、デザイン性により穴の数が多いものなども増えています。
⑦彫刻
針やレーザーを使って文字やロゴを彫刻する作業。最近のレーザー技術によりボタンの表面だけでなく側面への彫刻も可能になっています。
⑧晒し
約80度にした過酸化水素水を主成分とする水溶液にボタンを付け漂白する作業です。(※黒蝶貝はこの工程は省く)
⑨艶出し(つやだし)
テッポウと呼ばれる木桶の中に熱湯とボタンを入れ、水溶液(塩酸や硫酸)を点滴のように垂らしながら、およそ1時間回転させることによってボタンに自然な艶を出す作業です。
⑩ロウ付け
製造工程の最後で伊保田(いぼた)と呼ばれるロウを付着させた籾や小麦などをボタンと一緒にモミ化車と呼ばれる機械でさらに1時間回転させます。ロウがリンスの役割を果たし、貝ボタンの手触りが非常に良くなります。
⑪選別
一等品か二等品かを、一つ一つ人の目で選り分ける作業。経験を活かした眼力でスピーディーに分別します。
(参照:奈良県川西町ホームページ)
このように多くの工程を経て貝ボタンは作られます。いくつかの工程は機械化さていますが、貝ボタンを作るうえで人の手は必要不可欠です。そんな手間をかけ丁寧に造られた貝ボタンの高級感、特別感は付けた衣類を何倍も素敵に見せてくれます。また穴の数や、形、ロゴ彫刻など、他とは違う個性的で多様性を持たせたデザインも人気です。何かご希望のデザイン等がございましたら、お気軽にご相談ください。(例:ハート形、ひし形、三つ穴など)
貝ボタンのここが素敵!!
●樹脂ボタンには出せない天然の輝き
貝ボタンの最大の魅力は何といっても高級感のある輝きです。中でも最も高価な白蝶貝は真珠のような美しい光沢が特長です。しかし最近では安価で大量生産が可能な合成樹脂で出来た貝調のボタンなども増えています。もちろん樹脂製のボタンにもメリットはありますが、やはり本物の貝を使ったボタンは艶っとした光沢感や、光が当たった時のキラッとした輝きが素敵!
●自分だけのオンリーワン商品
貝ボタンは天然の貝から出来ているので、同じ貝から出来ていても全く同じ柄にならないオンリーワン資材です。割れたり無くしたりすると二度と同じものは手に入りません。そんな繊細な素材だからこそ大切に使ううちに、どんどん愛着がわいてきますね。
●熱に強い
貝ボタンは熱に強いので、プラスチックボタンに比べアイロンなどによる変形・変色が起こりにくくなっています。また日光による変色もないので長くご愛用いただけます。見た目だけでなく機能面でも最強の貝ボタン!
●地球に優しいエコロジーな資材
貝ボタンは天然物でできている為、破棄されても環境に害が少ないエコな資材です。近年“サスティナブルな資材”はファッション業界においても注目されています。貝ボタンを使うことは地球の環境改善への貢献にもなるのです。
まとめ
見た目はもちろん、機能面でも優れた貝ボタン。Trim-park SHIMADAでは貝ボタンを1個からご購入いただけます。(品番によってはロット数が掛かるものもございます)もしイメージするものが見つからない場合は、お気軽にお問い合わせください。
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